第50回 鶴島巡礼

10月8日(月/祝) 第50回 鶴島巡礼 岡山教会殉教者・巡礼地顕彰委員会

 
 浦上キリシタン流配150年(2018~23)開始の今年、瀬戸内海日生沖の鶴島で岡山教会主催、殉教者・巡礼地顕彰委員会実施により殉教祭が開催された。
 
▼鶴島へ/台風25号の直撃が危ぶまれたが、幸いにも爽やかな素晴らしい巡礼日よりに恵まれた。出発の日生港には岡山教会からの40㌔徹夜徒歩巡礼の方たち18名を含め約170名程が集合し、朝9時半過ぎ鶴島にわたり、殉教祭(野サ外ミ)に与かった。今年は中学校演劇発表会の県大会  (7月22日)で、鶴島のキリシタン流配を題材にして劇を演じられた、倉敷の東陽中学演劇部の生徒さんと先生5人を招待し、参加して下さった。
海辺でのオリエンテイションの後、列をなしてシスターの先導によりロザリオの祈りを唱えながら殉教者墓地まで進んだ。また50数年前に作られた、流配を題材とした「鶴島哀歌」(長島愛生園の近藤宏一さん作)に惹かれ、朝日新聞備前支局記者も取材に来られた。
 
▼殉教祭(野外ミサ)/松江教会の後藤神父の司式で、他11人の司祭とお一人の助祭が加わっての共同司式により野外ミサが行なわれた。
・長谷川神父(富山教会)の説教/北陸の流配者についてお話しします。加賀藩(加賀・能登・越中)への流配は全国一でした。600人程です。金沢では旧藩の工場の空家に収容され、改心を迫られた。僧は「形だけでも教えを棄てよ、心で信じていれば良いではないか」と日本的な方法で迫った。長崎の教会は、各地に流配された人の苦しみを通して、その信仰の下で長崎の教会があると思う。各地の教会はまた、もう一度自分たちの場所で、どの様にキリスト者が信仰をとおして生きようとしたか再発見して、自分たちの共同体・社会への奉仕に光を与えることが出来たらと思う。富山では鈴木邸跡に収容。その一部は今の教会東の愛護幼稚園です。教会としても今後流配を再発見し、共同体の見直しをしたいと思う。
・備前市長のお話/各地からの参加を感謝します。実は先日津和野を訪れ、そこで素晴らしい歴史を語り継いでいることを知りました。地元備前市にも鶴島という聖地が有り、その現状を反省し、今後どうすれば良いか考えています。私たちもここを誇りに思い、大切に守っていきたいと思います。市として直接出来ないことも有りますが、皆さんの希望に沿う方法を考えていきたい。
 
▼交流会/それぞれ海岸や停泊中の船内での昼食の後、海辺での交流会を行なった。
・肥塚神父の話…今晩白浜司教はバチカンに赴き、津和野37人の信仰の証し人の列聖運動の正式な申請を行なわれる。これは日本で初めて、広島教区単独で行なう列聖運動です。その後ファティマでミサと説教をされます。中学生が岩永マキに興味を持ち演劇した。感想を少し…。
・東陽中の子供たちの話…鶴島(流配って)大変と改めて思った。帰ったら友達に伝えます。今年は全国大会が長崎・佐世保で行なわれるので、岡山も関係する流配をテーマにした。
・お告げのマリア修道会シスター…誓願30年目のシスターたち12名です。マキのルーツである鶴島に初めて来ました。親からの信仰が島でも息づいていたことを感じます。
・徒歩巡礼者の話…昨年徒歩巡礼を知り1年間準備し、励ましの中で40㌔歩けた。突然思い立ち申込み、前晩怖くなったが、すごく上手な誘導で少しずつ、最後まで歩けたこと感謝。
(長谷川神父)→40㌔歩いた清々しさは何とも言えない、殉教者が招いてくれたことを感じる。
・交流会を終え、日生港へ…行き帰りの船の中で、又島でのひと時を、隣り合う中で話が弾んだことと思う。参加者それぞれ島での思いを胸に、次回の鶴島巡礼での再会を願って帰路についた。殉教祭に参加された方、準備から片付けまでご協力頂いた方々に感謝します。
 
▼鶴島補修募金/今年は初めて、参加出来ない方も含めて募金を行なった。野外ミサ後、担当の方は休む間もなく墓地の補修作業を行なった。幸いにして司祭が安全に野外ミサが出来る平地が確保でき、墓地補修は完了した。皆様方の募金に対する、多大なご協力に感謝します。
 
▼鶴島カード(参加証)/今年は第一次流配から150年で、浦上キリシタン流配150年
の企画(広島教区)に因み、特別に5年間6回に渡り使用する「鶴島カード/参加証」を作成し配布した。徒歩巡礼と当日巡礼それぞれ6個のマスを設けた。来年度以降も参加のたびに持参して頂き、スタンプを押すことを想定している。継続参加者は是非カードを保管して、来年も持って来てほしい。もちろん、来年度以降も参加者にカードを配布します。 写真参照
 

各種データ

★参加神父様方…岡山/大西、ジョン・ボルドン、玉野/猪口、倉敷/バルト、レイモンド、松江/後藤、光/肥塚、仁豊野/スメット、飾磨/松永、名古屋教区/富山・長谷川、港・山野、高松教区/桜町・谷口助祭(計12人)
 
★参加教会等(神父以外)…【岡山県】岡山・岡山南・倉敷・水島【島根県】松江【広島県】福山・三原【兵庫県】赤穂・姫路・夙川・仁川・加古川・枚方・尼崎・芦屋・兵庫・たかとり【東京都】碑文谷【修道会】・お告げのマリア修道会・サンパウロ大阪・純心聖母小野田・神の御摂理相生【他】備前市役所、倉敷東陽中、新聞社
 
★参加人数…全体167人内子供13人(徒歩巡礼者18人含む)  ベトナム人の方々も姫路から多数参加。
 
★浦上キリシタン流配…岡山への第2次流配は1870年1月5日長崎発~21日頃岡山着。その年の10月9日鶴島送り。(岡山は2020年で流配150年を迎える。) そして1873年5月7日長崎着。ほぼ3年間の流配生活でした。
なお流配150年に因み、現在西日本各地に散らばる全22箇所の流配地を網羅した「ガイドブック」の完成を、流配地連絡会では目指している。
 

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