新型コロナ感染症の防止対策の方針(その7)

2020年6月4日

広島教区の皆様へ

広島教区 司教 白浜 満

新型コロナ感染症の防止対策の方針(その7

公開ミサの再開にあたって:段階的な移行措置についてのお願い

~いのちを守るための犠牲と連帯~

+主の平和

 聖霊降臨のお喜びを申し上げます。聖霊に導かれて活動を開始した初代教会にならい、広島教区においても、先週5月31日の聖霊降臨の祭日から、各小教区における公開ミサを再開しました。これまで集団感染(クラスター)を回避するため、とくに緊急事態宣言が発令されていた期間、公開ミサをはじめ、その他の教会活動を休止してきました。改めて、皆様のご理解とご協力に対して、感謝を申し上げたいと思います。

 司祭団も、6月1日には「教区司祭会議」、6月2日には「司祭評議会」を開催し、新型コロナ感染症の防止対策について分かち合いや意見交換をおこないました。とくに「司祭評議会」の際に、公開ミサが集団感染(クラスター)の発生の機会とならないよう配慮するために、前回5月15日の通達(その6)「3:公開ミサの参加者への協力依頼について」で提示された内容だけでは、不安があるという声が出されました。海外の教会でも、公開ミサの再開直後に集団感染(クラスター)が起きてしまった事例も報告されていますので、気を緩めないように、防止対策を心がけなければなりません。

 広島教区においては、各小教区や巡回教会におけるミサの典礼のあり方を、すぐに通常のあり方に戻すのではなく、各地域における感染状況を注視しながら、段階的に移行していく措置をとることにします。次ページの具体的な対応例については、恐らく賛否両論があると思います。どうか、わたしたち一人ひとりも知らないうちに感染し、無意識のうちに他者へ感染を広げる危険があるという視点に立って、「いのちを守るための犠牲と連帯」をモットーに、段階的な移行措置へのご理解とご協力をお願いします。6月中の公開ミサは、次の通達まで、「レベルⅡ」で具体的な対応をお願いします。

1:ネットによるミサの中継

 6月と7月の間は、これまで通り、世界平和記念聖堂(カテドラル)における主日のミサの中継を続けます。各小教区や巡回教会等の共同体は、可能な範囲で、病者、高齢者、障がい者の方々に連絡を取り、ネット環境が整っていれば、霊的な参加をお勧めください。またこれまでのように、これらの方々のもとへ聖体を運ぶ配慮をお願いします。

2:移行措置の段階(骨太)

レベルⅢ

公開ミサ中止

不参加(参加免除)

解除

レベルⅡ

読誦(歌唱なし、オルガンは独奏のみ

マスク使用・人数調整・距離確保

6月~

レベルⅠ

歌唱の限定(重要な数曲に限定)

マスク自由・人数と距離の緩和

レベル0

各共同体における通常のあり方

3:レベルⅡの具体的な対応(例)

各小教区・巡回教会等で話し合い、下記の指針を軸にして、対応の具体化をお願いします。以下の事項の一部は、事前の了解を得て、大阪大司教区「新型コロナウイルス感染下にある教会での集まりについてのガイドライン」から、引用または類似した内容を掲載させていただいています。

 【環境準備】

★①一定の距離を保って、聖堂に入れる人数を明確にし、使用できない席にしるしをつける。

 ②聖堂に入る前に手洗い、あるいは手の消毒をお願いする。

★③参加者には(できる限り)マスクの使用をお願いする。

  司祭も、少なくとも「感謝の典礼」の奉納から、聖体授与の奉仕までは、マスクをつける。

  ④共用の聖歌集などを置かない。「聖書と典礼」のパンフレット等は、使用後に各自持ち帰る。

  ⑤ミサの前後はもちろん、ミサ中にも聖堂の換気に気をつける。

 【典礼のあり方】

 ★⑥原則的に、司祭も参加者も式文を読誦するだけにして、歌唱しない。

 ★⑦入祭唱、アレルヤ唱、共同祈願の意向、拝領唱などは、先唱者が代表して唱える。

 ★⑧オルガンの使用は独奏のみとする。オルガニストには、例えば、入堂、(奉納・供え物の準備)、聖体拝領中、退堂など、祈りの雰囲気を助ける曲を演奏していただく。

  ⑨パンとぶどう酒の奉納行列はおこなわず、奉仕者が司祭に手渡す。

 ★⑩「神の小羊の食卓に招かれた者は幸い」に答える応唱(「主よ、あなたは神の子キリスト…」)

   の後に続けて、司祭は聖体を示しながら、会衆全体に向って「キリストの御からだ」と言い、

聖体拝領をする人は、その場で「アーメン」と唱える。聖体授与の際、司祭が沈黙のうちに、

各自に聖体を示した後、信者も沈黙のうちに、手を合わせて差し出し、聖体を受ける。

 ★⑪聖体拝領の行列の際も、ある程度、前後の距離を保つようにする。

  ⑫口で拝領するか舌で拝領するか、各自の判断に委ねられているが、感染拡大防止の観点から、(できる限り)手による拝領に協力していただくようにお願いする。

4:レベルⅠの段階の対応

 新型コロナ感染症の収束状況を見ながら、新たな通達によって、段階の移行をお願いします。

レベルⅠでは、Ⅱの具体例から★の項目を、全面的か部分的に、解除・緩和することにします。

ご理解とご協力をよろしくお願いします。                    以上

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