聖堂案内シリーズその17


中央通路マンホール「信・望・愛」



解  説

 世界平和記念聖堂の中央通路に、「信」「望」「愛」の文字が浮き彫りにされている三枚の円形の金属板があります。
 中央通路の下には、ダクトが通っており、その改め口として三つのマンホールが設けられ、聖堂入口に近い方からそれぞれに「信」「望」「愛」の文字が刻まれています。
 字は、世界平和記念聖堂建設のために東奔西走された教区長アロイジオ荻原晃神父によるものです。

 古典的様式を保つ伝統的な聖堂には、天井にF ides(信仰)、S pes(希望)、C aritas(愛)の文字が記されていることがあり、時には擬人化されたり豊かな装飾がほどこされたりしています。
 世界平和記念聖堂では、人々の魂を祭壇へと導いていく通路に描かれているのはとても意義深いことです。

 信仰と希望と愛は対神徳といわれます。

 「対神徳はキリスト者の倫理的生活の土台であり、源であり、これを特徴づけるものです。あらゆる倫理徳に生気を与え、活気づけます。神の子供としてふるまい、永遠のいのちに値する行為をすることができるように、信者の心に神から注がれたものです。それは、人間の諸能力のうちに聖霊がともにおり、働いておられるという保証です。

 信仰は対神徳です。この信仰の徳によってわたしたちは、神と、神がわたしたちに語られ啓示されたこと、また教会が信じなければいけないこととして教えるすべてのことを信じます。神は真理そのものだからです。

 希望は対神徳です。この希望によってわたしたちは、キリストの約束に信頼し、自分の力ではなく聖霊の恵みの助けに寄り頼みながら、わたしたちに幸せをもたらしてくれる天の国と永遠のいのちとを待ち望みます。

 愛は対神徳です。この愛徳によってわたしたちは、すべてに超えて神をご自身のゆえに愛し、神への愛のゆえに隣人を自分自身と同じように愛します。」(「カトリック教会のカテキズム」カトリック中央協議会、545〜547頁)

 信仰、希望、愛は、キリスト者にとってだけではなく、あらゆる人にとって、人生を誠実に喜びのうちに生きていくためになくてはならない大切な宝です。



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