「励まし愛!企画」その6 教皇フランシスコの勧め「聖母月に、家でロザリオの祈りを」

教皇フランシスコの書簡「聖母月に、家でロザリオの祈りを」に応えて、個人的な祈りのあり方を見つめ直しましょう!

 伝統的に、聖母マリアにささげられた五月を迎える前に、教皇フランシスコは、4月25日(聖マルコ福音記者の祝日)に、すべての信者に宛てて、「聖母月に、家でロザリオの祈りを」という短い書簡を送られました。以下のバチカン・ニュースの中で本文を、ご覧いただくことができます。
https://www.vaticannews.va/ja/pope/news/2020-04/lettera-del-papa-per-il-mese-di-maggio-2020.html

 この書簡の中で、教皇フランシスコは「キリストの御顔を、マリアの心もって観想する」ために、「単純さとよいパターンを見つけること」を勧めていますが、家庭におけるロザリオの祈りは、まさにその一つの典型ではないでしょうか。

 わたしたちは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で、教皇フランシスコのこの書簡を通して、改めて家庭(生活の場)における個人的な祈りのあり方を見つめ直すよう招かれています。自分の身の周りに、祈りの道具(聖書、祈祷文、十字架、ロザリオなど)が置かれていますか。それを用いて、毎日、わずかの時間でも、神様に語りかける習慣がありますか。神様へのメールは発信されていますか。習慣は、当初、苦痛に思われることもあるのですが、それが身につくと楽しみになり、生活を変える力にさえなって行きます。

 キリスト者として、公的な祈り(典礼)が重要なことは言うまでもありませんが、それと同時に、教会はいつも、洗礼の恵みを受けた信者一人ひとりが、自分の生活の場での個人的な祈りを大切にするよう教えてきました(マタイ6・5~15、使徒言行録2・37~41参照)。多少語弊があるかもしれませんが、受洗者の中にいて祈るように助けてくださる聖霊(ローマ8・26参照)は、わたしたちが神の子として生きるために、公的な祈りと個人的な祈りという2つの肺で、絶えず呼吸するよう促しているのではないでしょうか(第二バチカン公会議「典礼憲章」9~13参照)。

 今回の教皇フランシスコの書簡を読みながら、自分の生活の中で、家庭(生活の場)における個人的な祈りが、どのようになされているのかを振り返る機会にしましょう。教皇フランシスコは、個人的な祈りを深める秘訣として<シンプルでよいパターンを考える>ように促しています。それは、わたしたちが、生活の中で繰り返すことで、いつも神様と共に生きて行くことが自然な状態となり、神様のみ旨を生きることを生活全体(言葉や行い)へ波及させていくためです。個人的な祈りが、皆さん一人ひとりの生活の中で、呼吸のようなものとして大切にされ、繰り返され、身につけられて行きますように。

 最後に、広島教区で、復活祭後に始められた、4月と5月の毎週金曜日の午後七時に、ネット配信に合わせて広げる「祈りの輪のロザリオ」も一つのパターンとして、ご活用ください。どうか、よろしくお願いします。 

(4月27日 広島教区 司教 白浜 満)

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