秘跡執行に伴う塗油の方法について

2020年10月8日

広島教区で働く司祭  各位

広島教区 司教 白浜 満

秘跡執行に伴う塗油の方法について

+主の平和

 台風14号が近づいていますが、豪雨や暴風などによる自然災害がないことを願いたいと思います。

 さて、典礼秘跡省の長官ロベール・サラ枢機卿様から、各国の司教協議会会長に宛てた10月1日付の手紙が、日本カトリック司教協議会で翻訳された後、各教区の司教にも配付されてきました。

この手紙は、新型コロナウイルス(Covid-19)のパンデミックにおける「社会的距離に関する規則を考慮して堅信の秘跡を有効に執行する正しい方法」についての質問に答えるものですが、この内容は堅信の秘跡だけではなく、塗油を伴う他の秘跡執行にも応用できる原則ですので、この手紙を共有したいと思います。

 この手紙の中で、第一の質問は、右手の4本の指(親指以外)を頭にのせて、同時に親指で十字架のしるしをしながら、額に塗油することに関連していますが、4本の指による按手がなくても(親指で触れる)「塗油が按手を十分に明示しており、同時に按手することは有効性のためには必要でない」という判断です。そして、第二の質問に関しては、「役務者による道具(手袋、綿棒など)の使用は秘跡の有効性には影響しない」という回答です。

 この「役務者による道具(手袋、綿棒など)の使用は秘跡の有効性には影響しない」という判断については、堅信の秘跡のみならず、病者の塗油、洗礼式の時の塗油、洗礼志願式の時の塗油についても応用できるものです。新型コロナウイルス感染症のパンデミックの間に社会的距離を保ちながら、秘跡を適切に執行していくために、参考にしていただければ幸いです。

ロザリオの月にあたり、神父様方の宣教司牧活動の上に、聖母マリアの取り次ぎを願って、豊かな

神様からの祝福をお祈りいたします。

以上

 

 


 

典礼秘跡省

司教協議会会長宛の手紙

Prot. N. 470/20

バチカン市国、2020年10月1日

枢機卿様

大司教様

現在のCovid-19のパンデミックの間、当省には、多くの場所で施行されている社会的距離に関する規則を考慮した堅信の秘跡を有効に執行する正しい方法に関して、司教協議会と個々の司教から多数の質問が寄せられています。

この質問にはいくつかの側面があります。第一は、聖香油による塗油は按手を伴わなければならないなのか、それとも塗油のみで十分なのか、という質問です。第二は、秘跡が有効に執行されるために、塗油は覆われていない親指で行われなければならないのか、それとも役務者は手袋や綿棒などの道具を使うことができるのか、という質問です。

第一の質問については、教皇庁の第二バチカン公会議教令解釈委員会がすでに答えています(Notitiae 7 [1972] pp.281-285 参照)。それによると、塗油が按手を十分に明示しており、したがって、同時に按手することは有効性のために必要ではないとされています。

綿棒のような道具の使用に関する第二の質問は、最近、教皇庁法文解釈評議会に提出されました。この質問に対する正式な回答は以下のとおりです。「堅信の秘跡の有効性について、法は以下のことを定めている。堅信の秘跡は、通常の役務者とそれを行う権限を有する司祭によって、 典礼書で定められた言葉が発せられている間に、額に聖香油を塗ることによって授けられる(「教会法」第880条第1項、および第882条参照)。役務者による道具(手袋、綿棒など)の使用は、秘跡の有効性には影響しない」。

しかしながら、こうした実践が採用されたとしても、現在の緊急事態が終了するまでの間に限られることをあらためて強調しておきます。

以上によって、必要な明確さが与えられるよう願うとともに、この手紙を兄弟である司教の皆さんにもお見せいただきたいと思います。

この場をお借りして、皆さんの牧者としての働きの上に神の祝福を願い、心からごあいさつ申し上げます。

キリストのうちに

長官 ロベール・サラ枢機卿

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