東日本大震災復興支援10年 大阪教会管区司教団の感謝のことば

カトリック大阪教会管区
小教区・修道院・学校・施設の皆さま

             東日本大震災復興支援10年
            ありがとう。そして、これからも
           ~大阪教会管区司教団の感謝のことば~

1.日本カトリック教会オールジャパン支援体制終了
2011年3月11日に発生した東日本大震災と福島原発事故から、この3月で10年となりました。日本のカトリック教会は同年6月には、被害の大きさ、復興の長期化に鑑み、被災地を統括する仙台教区のサポートセンターを中心に、16教区オールジャパンでの復興支援体制をとり、三教会管区(東京・大阪・長崎)はそれぞれの被災地域(長崎管区:岩手県、大阪管区:宮城県、東京管区:福島県)で支援活動を開始しました。そして、2021年3月をもって支援体制を終了するにあたり、司教団は「連帯のきずなを希望の光に~東日本大震災復興10年を迎えて~」という司教団メッセージを3月11日付で発表しました。
大阪教会管区司教団は、この10年間物心両面にわたり、大阪教会管区の支援活動にご協力をいただいた皆さまへ、感謝のことばとともに、活動の報告をさせていただきます。

2.大船渡プロジェクト・カリタス大船渡ベース概要
大阪教会管区の5教区(名古屋、京都、大阪、広島、高松)は当初、宮城県気仙沼を検討しましたが、沿岸近くにありながら高台に建ち、津波の被害をかろうじて免れたカトリック大船渡教会を拠点とすることになり、同教会の信徒の皆さま方と協力して緊急支援を始めました。2012年1月14日には、教会近くに購入した土地に、地域支援と周辺地域のコミュニティセンターの拠点として「カリタスジャパン大船渡ベース・地の森いこいの家」を開所し、被災者に寄り添い、地域の交わりを形成する支援に力を注いでまいりました。

3.カリタス南三陸ベースへの支援概要
「カリタスジャパン米川ベース」は宮城県南三陸町を支援するため、最寄りのカトリック米川教会を拠点に緊急支援を始め、2011年4月30日に近隣の公民館建物を借用して始動しました。その後、「カリタス南三陸ベース」と改称しました。当初は、仙台サポートセンターの管轄でしたが、2016年10月1日から大阪教会管区に移管され、管区から活動費の支援を始めました。そして、2021年からは新たに一般社団法人として再出発することになりました。

4.大阪教会管区からの支援総括
大阪教会管区は、2011年5月に大船渡ベースへの支援活動のために管区プロジェクトの会計を設置し、寄付金を集約することにしました。各教区の個人、教会、カトリック学校・施設は募金活動を開始し、ボランティアを募集し、大船渡ベースに派遣してくださいました。おかげさまで、大船渡ベースは、カリタスジャパン、および海外カリタス(特にカリタスアメリカ)と大阪管区口からの支援金をもとにして、現地スタッフとボランティアの献身的な働きにより、10年にわたり被災地の方々と交わり、地道に復興の歩みに寄り添うことができました。今やカリタスの活動は、カトリックという宗教を超えて、現地の人々から大きな信頼を受けることになりました。本当に嬉しいことです。

 管区口の会計報告として、10年間で、カリタスジャパン援助金を除くと、寄付金から累計約8,000万円を各ベースに送金しましたが、2020年12月末での残額は、102,877,649円となりました。これほど多額の寄付実績は本当に驚くばかりで、あらためてご寄付下さった皆さまに心から御礼申し上げます。
そして、管区司教団は支援を締めくくるにあたり、残金を大船渡ベースに7000万円、南三陸ベースに3000万円の割合で分配することにしました。なお、資金管理は、引き続き大阪大司教区経理課に委託されます。これにより、南三陸ベースについては、「一般社団法人」としての活動が5~6年継続可能となります。大船渡ベースは、これまで人件費部分はカリタスジャパンからの援助でしたが、その人件費分も今後は含まれるため、現在の運営経費(年2000万円)から推測して3~4年の継続が可能となります。最終的な会計報告は、残額が終了する時点であらためておこなう予定です。

5.これからも復興の歩みをともに
世界中がコロナ禍の危機に晒されるなか、東日本大震災や福島原発事故は10年を経過し忘れ去られる状況にありますが、これからは、自立した大船渡ベースと南三陸ベースは、それぞれ新たな復興、新しい創造を発信していくと思います。大阪教会管区は支援終了を告げますが、これからも心を合わせて、両ベースの歩みに寄り添っていきます。
 2019年11月に日本を訪れた教皇フランシスコは、東北の被災地の方々との集いにおいて、「一人で『復興』できる人はどこにもいません。だれも一人では再出発できません。町の復興を助ける人だけでなく、展望と希望を回復させてくれる友人や兄弟姉妹との出会いが不可欠です」と述べられました。これまで10年間、大阪教会管区が被災地での多くの人との出会い、生まれたつながりは、決して切れることはありません。仙台教区のサポートセンターの活動は2021年3月をもって終了しますが、旧カリタスベースがつながる「カリタスみちのく」が設立され、南三陸と大船渡がその要の役割を担うようです。
日本のカトリック教会はこれからも、かかわりの形を変えながら、それぞれの被災地にある教会を通じて、地域共同体のさらなる復興に微力ながら貢献させていただきたいと思います。
あらためて、これまで支援してくださった大阪教会管区の皆さまに感謝するとともに、これからも被災地の方々のために、お祈りくださるようお願いいたします。
以下、会計報告をいたします。今日をもちまして、寄付の受付は終了いたします。これまでありがとうございました。

大阪教会管区プロジェクト寄付金収支表
(単位:円) 2020年12月末現在
収入 寄付金 計 183,771,960
支出 大船渡ベース 61,351,240
南三陸ベース 19,543,071
計 80,894,311
収支差額 合 計 102,877,649

                                     2021年3月11日
                               カトリック大阪教会管区司教団

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする